

新型コロナウイルス(COVID-19)による社会様式の変化も3年目となり、この期間に臨床実習や、新入職を経験された方の中には、養成校や職場でも対人交流が制限された中でつながりが希薄だと感じることがあるのではないでしょうか。作業療法(Occupational Therapy:OT)とは「人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である」とされ「作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す」と定義されています(日本作業療法士協会2018年5月26日)。日々の臨床で作業療法を実践するにあたり、作業に焦点を当てることの重要性とそのための確かな知識や技術をつなげていくことが必要です。
本学会のテーマは「倦まず弛まず、明日につづく作業療法。」とさせていただきました。倦(う)まず弛(たゆ)まずとは、途中で飽きたり怠けたりせず~という意味があり、対象となる人々や我々作業療法士にとってもコツコツと共にリハビリテーションを進めていきたいという想いに加えて、明日に続くような作業療法を提供することが社会的にも求められています。特に「対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為」につながる最新技術や知見を得られる場として会員や一般の方に向けて発信して行きたいと考えております。
このような趣意に基づく第36回大阪府作業療法学会は、現在約2,500名の会員を擁し府内各地の医療や保健、福祉、企業や教育機関などで幅広い領域で活躍している会員並びに学生、一般の皆さんと一堂に会せるよう考えています。新型コロナウイルス感染禍でも安心に学会に参加いただけるよう、インターネットを活用したWeb開催:12月10日(土)と現地開催:12月11日(日)に加えて、一部の研修をオンデマンド配信(2022年12月10日~2023年1月15日)として大阪府作業療法学会では初の試みを多数企画しております。本学会においては、実行委員長(中川英俊:メディケア・リハビリ)を中心に、事務局長(宮本年也:阪奈中央リハビリテーション専門学校)、学術局長(林部美紀:大阪保健医療大学)、事業局長(松下卓也:第二大阪警察病院)、社会局長(園山真弓:篤友会リハビリテーションクリニック)と共に学会組織化を図ると共に二日間の学会を成功に導くために企画運営には大勢の皆さんに役員としてご協力いただいています。学会活動を通してあらためてつながることの大事さを日々感じています。
感染拡大も途中で何度か経験し、会場での対面形式は本当には可能なのか?webによるLIVE配信とオンデマンド配信は大丈夫なのか?と心配は尽きません。皆さんも日々の臨床においては、様々な不安や心配事、葛藤も多いのではないでしょうか。3年ぶりの学会会場で皆さんとお会いして「倦まず弛まず、明日につづく作業療法」を実践できるようご一緒できれば幸いです。LIVE配信やオンデマンド配信のみでも楽しめるように研修内容も盛りだくさんとなっています。皆さんの参加をお待ちしております。どうぞよろしくお願い致します。
第36回大阪府作業療法学会
学会長 牟田 博行
(社会医療法人若弘会 わかくさ竜間リハビリテーション病院)